プラズマ溶接
開先加工なしで突き合わせ溶接が可能
板厚15mmまでは1パスで溶接可能
入熱範囲が狭く、従来法に比べ、溶接歪が少ない
溶接欠如の発生が少ない
アルミ中厚板への適用が可能
その他材質でも、15mmまでの板厚で適用可能
研究の背景および経緯
【技術開発の市場】
・アルミニウムは耐腐食性・軽量性などの利点から、物流機器(船舶・鉄道)、産業プラント(電力設備・化学プラント)、各種構造物など大きな市場を有しています。
【いくつかの課題】
・アルミ材の溶接は、接合する板同士をV型ないしX型に切削(開先加工)し、この切削部を溶融させ、そこに溶融させた溶接棒を加えながら凹部を充填し接合します。
・材料の板厚が厚いと、溶接回数が増加・熱歪が大きくなる等、経済性・品質面で大きな問題を抱えています。
【技術的な問題点】
・前述の課題を解決するため、開先加工が不要となる溶接方法が求められますが、電子ビーム溶接、レーザー溶接等の方法は、設備が非常に高額であること、高精度の前処理が必要とされる等が大きな障害となっています。
・そのような状況下、プラズマ溶接は装置が比較的安価で、汎用性も高く、最も有望視されていますが、一般的なプラズマ溶接機は電流制限から、溶接加工板厚が5㎜程度まででした。
研究開発の概要と成果
【プラズマ溶接の概要】
・当社では、平成19年経済産業省の「戦略的基盤技術高度化事業」の認定を受け、プラズマ溶接技術の開発に着手、次いで平成23年、経済産業省の「新連携計画」の認定を受け、産・学・官の連携により、中~厚板溶接に最適な「新型プラズマ溶接」の実用化に取り組んできました。
・具体的には、
① エネルギー密度の集中化、シュミレーションの最適化
② トーチ形状の最適化
③ 溶接システム・施工方法の最適化
に取り組みました。
【成果】
・板厚15㎜までの1パス溶接が可能な溶接ロボットを含む溶接システム、施工方法を確率することが出来ました。
・プラズマでの溶接結果は、従来方法の溶接技術と比較して、同等以上の品質を確認できました。
開発された製品・技術のスペック
・本技術については、高圧ガス保安協会(経済産業省)、日本ボイラー協会(厚生労働省)で施工法を得ることができました。
TIG/MIG | レーザー | 電子ビーム | 従来プラズマ | 新プラズマ | |
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1パス可能厚(AL/mm) | 〜5 | 〜4 | 100超え | 〜5 | 6〜15 |
開先形状 | V/X | | | | | | | | |
開先精度(mm) | 〜1.0 | 〜0.2 | 〜0.5 | 〜1.0 | 〜1.5 |
安全性環境負荷 | 大気中 | 大気中放射線 | 真空放射線 | 大気中 | 大気中 |
寸法制限 | 無し | 無し | 有り | 無し | 無し |